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不倫白書 Ⅰ
第1章 初めての不倫…
 1

「うわぁ、あっ、あぁぁぁ…」
 わたしは余りの快感に絶叫し、全身を激しく震わせ、のけ反り…
 絶頂してしまう。

 いや…

 正確には、セックスに於いて、未だかつて絶頂感を、つまりはイク、イッたという経験が無かったから…

 多分、これが絶頂感、イッた、という事なのだろうと…
 脳裏が痺れ、薄らいでいく思考の端でそう想っていた。

「あっ、あっあぁぁぁ…………」
 そして絶頂感の絶叫と共に…
 一瞬だけ、意識を翔ばしてしまったみたいである。


「……ん……ん…ぁぁ……」
 そして、ゆっくりと意識が覚醒し始め…

「ぁぁ……」
 その意識の覚醒と共に…

 ズキズキズキズキ…
 と、子宮の奥が、いや、奥から快感の余韻の疼きがしてきていた。

「どうしたの?
 そんなに感じちゃったの?」
 すると、わたしを腕枕で抱いていた男が…
 いや、彼が、耳元で囁いてきたのだ。

「ぁん、んふん…」
 その耳元に微かに掛かった彼の息にでさえ、敏感に…
 いや、今までそんな風に感じた事が無い位に震えてしまう。

「うわぁ、耳も敏感なんだね…」

「え…」
 でもわたしは、そんな事ない、初めて…
 とは、言えなかった。

「やっぱり、大人の女性は感度が良くて堪まんないやぁ…」
 そして彼はそう囁きながら…

「あぁん、いやん…」
 再び耳元に息を吹き、そして、舌先で舐めてきたのだ。

「は、ふぅん…」
 わたしはそう喘ぎ、全身を震わせ、いや、鳥肌が、粟立つほどに身震いをする。

「あ、う…ん…」

「堪まらないやぁ、もう一回しようよ…」
 彼はそう囁きながら…
 キスをしてきた。

「は…うぅ…」
 ピチャ、ピチャ、ピチャ…
 そして舌先を絡め、唾液を吸い、唇を舐めてくる。

 あぁぁ…

 わたしは心が融け、溶け、蕩けていく。

 こんなキス…

 いや、こんな甘い快感の余韻が漂うセックスは…

 初めてであった…






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