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不倫白書 Ⅰ
第1章 初めての不倫…
 2

 わたしは37歳主婦…
 週に3日ほど、電車で4駅先のスーパーでパートをしている。

 子供はいない…
 いや、多分、出来ない、不妊症らしい。
 
 それは、子作りしようとずっと中出ししてこの七年間…
 全く妊娠しないから。

 夫のせいなのか、わたしのせいなのかはわからない…

 なぜなら、既に結婚十年を迎えた今…
 この不妊という現実にお互いが触れず、いや、わたしは今更、触れるのが怖くてアンタッチャブルな話題にしてしまっていたし、夫の方も全く触れては来ないのだ。

 と、いうより、既に夫婦仲は冷え切った、いや、冷え切る手前なのだろうとわたしは感じている…

 じゃあ、なぜ、今だに結婚生活を続けているのか?

 続いているのか?…

 それは、ただ単に惰性なのかもしれないし…
 この比較的安定した、そして穏やかな生活を壊したくは無いという無気力としか言いようの無い想いだと思われる。

 そして当然…
 セックスレスであり、3年目になる。

 しかし…
 実は、そんなセックスレスな生活にさほどストレスは感じてはいなかったのだ。

 なぜならば、わたしは、今日の、この今夜の、この男に抱かれるまで… 
 男の経験が、つまりは、セックスの経験人数が二人しかいない。

 勿論、一人の男は夫であり、もう一人の男は…
 高校時代の元彼氏。

 逆にいえば、高校三年の卒業式の夜…

 彼は地元の大学に進学し、わたしは都内の大学に進学するからお別れの記念にと、初体験を済ます意味でのセックスであり…

 知識の乏しいわたし達は、キスをして、簡単な愛撫をし…

 ただ挿入れただけ…

 しかも五分と満たない挿入であった。

 だから、わたしのセックスは…

 夫が全てであったから…

 それ以外は知らなかったから…

 ううん…

 こんなに強い快感があるなんて思いもしなかったから…

 だから…
 セックスレスでのストレスなんて無縁であったのだ。





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