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僕のとなり
第10章 真央
真央の怒りは頂点へと達してゆく。
確かにそうなのだ。
女性に彼氏を取られるならまだ少しは納得できるだろう。
でも、相手が男性だとかなり違ってくる。
真央のプライドが許さなかったのだ。
仕事でもやり手の彼女のことだ。
この事実を知って怒り狂わない訳がなかった。
真央は震える手でカップを握ると落ち着こうとして珈琲を一口飲んだ。
すると、少し落ち着いた様だった。
「でも、何故私ではダメなの?」
「僕にも分からないんだ、どうしても興味は男の人に行ってしまうんだ…」
「いつ頃からだったの?」
「考えてみれば、小学生くらいの時からおかしかったんだ…」
真央は落ち着きを取り戻した様だった。
「そう、分かったわ…」
「ほ、本当に?」
「ただし、今日限りで私の前から消えて欲しいの!!」
「え?」
「もう、二度と顔を見せたり、連絡してこないでっ!!」
真央はいきなり席を立つとこういった。
「さよなら、薫くん…」
これが真央との最後の別れとなった。