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僕のとなり
第11章 同棲
僕は、真央と別れてからとても自由になった。
セックスに対するコンプレックスも徐々にではあるけれど、なくなってゆくのを感じた。

でも、僕がゲイであることを知った母、佳代子はその後寝込むことが多くなっていた。
それだけ、衝撃が大きかったのだと思う。

父、寛貴はそんな母に優しく接していたけれど、暫くは僕とも口を聞いてくれなかった。
父も相当悩んだのだろう。

僕は、松崎家の一人っ子だ。
これで、姉とか妹とか居れば両親も少しはこのショックも軽減されたかも知れない。

そう思うと僕は両親に対して申し訳なく思ってしまう。
しかし、両親公認の元で優真と付き合えるようになったのは嬉しかった。

優真とは自宅も近いこともあって、ちょくちょくアパートには行っている。
そして、いつも僕は優真の部屋の掃除とか、たまに食事なんかも作っている。

そんな、優真のアパートで彼と一緒に過ごしていた時の事だ。

「なぁ、薫…」
「なに?」

「一緒に俺と暮らさないか?」
「え?ま、マジで?」

「うん、もし良かったらだけどな…」
「でも、僕はまだ学生だから両親がなんて言うかな?」

「そーだよなぁ…」

そう言うと優真は煙草をくゆらせながら何やら考えているらしかった。
そう言えば、佳代子が優真を紹介してくれと言っていたではないか。

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