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僕のとなり
第2章 彼女
湯が沸いた時に知らせる“ピー”と言う音がして湯が沸いた。
その湯をマグカップにセットした1人分のドリップ珈琲に注いでゆく。
部屋には珈琲の良い香りが漂ってきた。
「はい、薫くんの珈琲よ」
「ありがとう」
僕らはマグカップを持つとベッドを背にしてテーブルを前にしてラグに座った。
珈琲を一口すする。
先ほどまで少し酔っていた身体に珈琲の味がしみ込んでくる。
酔いが一気に醒める様な感じだった。
「本当に薫くんは可愛いわね…」
「え?」
「可愛いって言ってるのよ…」
「そ、そうですか?」
僕はちょっと恥ずかしくなってしまった。
「何だか、薫くんとこうして一緒にいるとホッとするのよね…」
「そ、そうですか?」
「そうよ…」
真央はマグカップを両手で持ちながら頭を僕の肩に持たれ掛けてくる。
真央の髪からシャンプーの匂いがしていた。
これは、女の匂いだと僕は思っていた。
これから先、どうなるのだろう。
僕の身体は少しずつ緊張で固まっていく。