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僕のとなり
第4章 アパート
僕は森山さんのところにちょっと駆け寄った。

「お待たせしました。今、バイト終わったんで…」
「メモ紙読んでくれたんだな?」

「ええ、読みましたよ」
「断られるかと思った…」

そう話すと森山さんは煙草を肺の奥深くへと吸い込んでいった。
僕はちょっと頭をポリポリと搔きながらこう話した。

「森山さんは、今日は僕の命の恩人なんで…」
「恩人なんて大袈裟だよ…」

そう言いながら肺に中に入っている煙を吐き出した。

「森山さんの自宅ってここから近いんですか?」
「あぁ、2ブロック先にあるアパートさ…」

僕らはそのアパートに向かって歩き出した。
店長の佐藤さんに見つからずに済んだと僕は内心ホッとしていた。

何故、こんなにも人目を気にするのか自分でも分からなかった。

「ちょっと酒でも買っていかないか?」
「ええ、構いませんよ、コンビニ寄ります?」

「そうだな、コンビニ行こう…」
「分かりました…」

いくら森山さんと親しくなっても店の常連であり、年齢も自分よりも上なのだ。
タメ口ではいけないと思っていた。

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