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僕のとなり
第1章 プロローグ
「松崎、お前さ、女子の服着たらマジで可愛いと思うんだよなぁ…」
僕はその言葉を聞くと耳まで赤くなるのを感じていた。
それは、まるで僕の事を好きだと言われている様に感じたからだ。
大野くんからそんな言葉を言われると僕はとても嬉しくなった。
確かに僕は良く女子と間違われることが多かった。
街をひとりで歩いていても、お嬢ちゃんと言われていたのだ。
成人になった今では何となく“板垣李光人”に似ていると良く言われる。
確かに背格好も板垣李光人と同じくらいかも知れなかった。
年齢も確かに近いだろう。
僕の母、佳代子は本当は女の子が欲しかったらしい。
だが、生まれてきたのは男の子だった。
まだ2~3歳の頃は良く母に女の子の洋服を着せられていたのを思い出す。
今でも、家にはその写真が残っている。
でも、男に生まれて来たのに僕はどことなくおかしかったのだ。
このおかしいと言う感じは今でも続いている。
僕は、男なのか女なのか今でも分からなかった。