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僕のとなり
第4章 アパート
「なら、そのタオル貸してくれませんか?」
「分かった…」
僕はタオルを受け取ると水に濡らしてキツク絞ると煙草の吸殻で汚れているテーブルを拭いた。
白いタオルは一瞬にして真っ黒になってしまった。
その分、テーブルは綺麗になった。
「少しはこれで落ち着いて飲めるんじゃないですかね?」
「悪いな、片づけなんてやらして…」
「いんですよ、僕、掃除とか料理とか好きだから…」
事実、僕は掃除とか料理がとても好きだった。
だから、いつも母、佳代子の料理の手伝いもしていたし、マメに自分の部屋の掃除などもしていた。
なので、掃除とか料理とかは苦にはならなかったのだ。
本当に森山さんのアパートは片づけがいのある部屋だと思った。
「じゃ、座って飲むか?」
「そうですね…」
僕らはテーブルを前にして向き合って座った。
買ってきたビールをコンビニの袋から取り出す。
ビールの蓋を開ける時の“プシュ”と言う音がしてビールの蓋が開いた。
「お疲れ~」
そう言って僕らは乾杯した。
「ところで、森山さんて仕事なにしてるんですか?」
「俺か?百貨店でアパレルの仕事してるよ…」