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僕のとなり
第5章 日曜日

「その男性って、単なる大学の先輩とかだよね?ただの、友達と言う意味だよね?」
「それが、僕にも分からないんです…」

本当に僕は優真に対する気持ちが恋なのか何なのか分からなかった。
ただ、心惹かれていくものがあったのは確かだった。

この時、僕は少しずつではあるけれど、自分はもしかしたらゲイなのではないか。
そう、思い始めていた。

「薫くん、その男性とはただの友達だと言ってくれないか?」

加藤さんは僕が話したことを受け容れられない様にそう言ってきた。

「はい、でも、彼とは何もないですし…本当に分からないんです…」

実際、優真とは身体の関係とか、キスとかそんな事は全くなかった。

聖書には“同性愛”は“罪”だと書かれてある。
それは、僕も知っていた。

加藤さんはそのことに敢えて触れずにそう言ってきていたのは僕にも理解できた。
僕は、益々自分はゲイなのではないか。

そう感じ始めていた。
僕は、本当にどうしてしまったのだろう。

自分の心と身体のアンバランスを感じずにはいられなかった。
加藤さんはちょっと深刻に考えている様だった。

上嶋珈琲店は、時間が経つごとに益々人で溢れかえっていた。

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