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僕のとなり
第9章 発覚
そして、嬉しさで気持ちはいっぱいになったのだ。
でも、佳代子はそうではなかった。
「中村先生、教会は同性愛者を受け容れると言うのですか?」
佳代子は少し納得がいかない様子でそう詰め寄った。
「そうですね、教会は受け容れますね…イエス様ならそうすると思います…」
佳代子はそれを聞くと諦めたように頷いた。
「イエス様がそう言うのならそうかも知れませんね…」
佳代子は深くうな垂れていた。
「薫くん、君も気にしなくてもいいのだよ、自分らしく生きたらいいと思う、イエス様はそれを受け容れてくれると私は思うよ…」
「はい、ありがとうございます、それを聞いて僕は安心しました…」
「また、教会に来てくれるね?」
「ええ、もちろんです…」
そんな話をしていると横から佳代子がこう言ってきた。
「でも、中村先生、薫が同性愛者だってことは誰にも言わないで貰えませんか?」
「もちろんですよ、私には守秘義務があります。ここでの話しは誰にも言いません」
「ありがとうございます…」
佳代子は中村牧師に深々と頭を下げてお礼を言っている。
僕も、釣られて頭を下げた。
佳代子は他の教会員から、僕が差別されたり、偏見の目で見られることを心配しているらしかった。