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僕のとなり
第9章 発覚
その前に、自分自身の保身もあったのだと僕は思っていた。
自分の息子がゲイだと知られれば、教会にも行きづらくなる。
それを、考えての事だったのだろう。
そう、僕は思っていた。
佳代子はまだ僕がゲイだと言う事を受け容れられない様だった。
「薫、あなたは本当にゲイなの?」
「うん、自分でも分からなかったんだけど、最近それに気づくようになったんだ…」
「正直、お母さんは悲しいわ…あなたは松崎家の一人息子なのよ…私は普通に女性と恋愛して、普通に結婚して、普通に家庭を持って、孫の顔が見たかったわ…」
僕はそれを聞いて、普通ってなんだろう。
そう、思ってしまった。
普通の女性と交際して、普通に結婚して、普通に家庭を持って、普通に子供が生まれる。
それが、当たり前なのだろうか。
僕ら、ゲイやレズビアンの人たちは生産性が無いと言われて差別される。
その、生産性って何?
単に、子供を産む事だけなのだろうか。
それだったら、産んだ後子育てもできない夫婦は沢山いるではないか。
どこが、普通なのだろう。
僕は佳代子の話を聞いてそう思ってしまった。
そんな事を考えていたら、また佳代子が話しかけてくる。
「薫、その今付き合ってるって人、今度、私に紹介して頂戴…」
僕はその言葉を聞いて驚いてしまった。
優真に佳代子は会いたいと言ってきたのだ。