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12歳年下の彼とバレンタインする話
第10章 2月14日 バレンタインデー

バレンタインの前日の2月13日に
巴は…歩いてすぐの場所の
自分の実家に行って、
キッチンを借りて。
大量にマドレーヌを量産して。
いつもは普通のプレーンだけだけど
ココアとアーモンドパウダー入りの
3種類のマドレーヌを作って。

匂いに釣られてやって来た
甥っ子の大和と…お父さんと、
妹の千冬に…焼きたてを
おすそ分けと言うかつまみ食いさせて。

合間に自分も…味見したりしつつ。

その3種類のマドレーヌに
1つはそのままの状態で。
もう1つは…溶かしたチョコを
端っこに斜めになるように付けて。
アーモンド味には
クラッシュアーモンドを。
プレーンにはフリーズドライのイチゴを。
ココア味にはココナッツファインを、
それぞれに固まる前にフリフリして置いて。
1つずつ…マドレーヌを
100均で買ったお菓子用の袋に入れて。
可愛いハート型のギフトボックスに
買って置いた袋入りのリンツの
リンドールをばらして一緒に入れた。

可愛いハートの形のクッション材を
そこに敷き詰めたので、何か
それなりにらしい感じになったな…。

余ったリンドールは…
美味しく…頂く事にして…。

港斗君…喜んでくれるかな…?
いつもご飯食べてくれてるから
手作りチョコは嫌だって
言うタイプではないと思うんだけど…。
何か…手作りチョコって
嫌だって男性が居るのも…
居るって聞いた事あるしな…。

一抹の不安…は多少残る物の、
家族の分を作るついでに
取り分けした感じだから…
申し訳なく…も…あるけど…。

何もあげないよりは…良いかと、
自分を納得させて…、その日は
眠りに就く事にした。



ーーー
ーー


2024年2月14日

その日は…いつもの水曜日と
同じ様に仕事の帰りに
彼とジムで合流して。
トレーニングを一緒にして。
いつもの居酒屋で夕飯しつつ
1杯ジョッキの生ビールを飲んで。

そのまま一緒に…私の
アパートに彼と帰って来て。

今は…お風呂のお湯張りをしつつ、
彼がコーヒーを淹れている最中で。

「あのね…港斗君…、
その…お茶請け…じゃないんだけど。
コーヒーと一緒に甘い物とかって
欲しかったりとか…しないかな?」



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