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12歳年下の彼とバレンタインする話
第10章 2月14日 バレンタインデー

そう言って、彼に…
昨日用意して置いた
ハートの形のギフトボックスを見せると。

『と、巴さんッ…こ、これっ…
もしかして、バレンタインのチョコですか。
もう、あの時に貰ったつもりで僕は、
居たんで…巴さんからチョコも
貰えるなんて…思ってませんでした…』

「港斗君手作りチョコとか…嫌だった?」

『あ~、付き合ってる子とかが
くれるんだったら良いんですけど…
その…昔…、髪の毛じゃない…毛が
入ってるの…貰った事あって。
それから…付き合ってない子から
貰う手作りはお断りしてましたけどねぇ~』

髪の毛なら作ってる過程で
混入する可能性はあるけど…。
髪の毛じゃない…毛…って。
やっぱり…その…毛…だよね??

『もしかして入ってるんですか?』

「入ってないよッ!」

『まぁ…そんな物…より…
その下…を…食べると言うより
舐めたい…ですけどね?僕としては』

その…毛の下…ってあの辺り…。

『チョコレート味のローション…
巴さんがあの時にくれましたし。
チョコレート味の巴さんでも
この後…食べさせて貰えるのかなぁって』

「お…お風呂…の後にね…?」

リビングのテーブルに…
彼がその箱を置いて、開くと。

『巴さん…これ…リンツの
リンドールは分かるんですけど。
このマドレーヌって巴さんの…』

「うん、昨日作ったやつ…、
実家の…家族のついで…で
申し訳ないから…その…」

港斗君だけチョコ掛けにして
トッピングをプラスした
特別仕様だと…苦しながらに
言い訳をして置いたんだけど。

「……マドレーヌ…妹が
好きで…毎月の様に作ってたから。
マドレーヌに関しては…その…
…間違いはない…と言うか…」

レシピ自体…中学生が
調理実習するくらいなので
難しい物ではないし、
何度も作ってるから味も間違いない。

マドレーヌの話を彼にすると
マドレーヌのプロじゃないですかと
良く分からない称号を…、
彼に頂いてしまったのだけど。

コーヒーを頂きながら、
食べるのかと思ってると
食べるのが惜しいと言うので。
持って帰って来た余分の分にも
残ったチョコとトッピングを
施した物があるから。それを
お皿に乗せて出してあげたら。


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