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12歳年下の彼とバレンタインする話
第10章 2月14日 バレンタインデー
さっき渡した分と同じ物なんだけど
美味しいって食べてくれて。
さっきの方は家で大事に食べますと。
嬉しそうにしてくれていたので。
やっぱり…今日…渡す物も
用意して置いて良かったなぁって。
そんな風に思いながら、
4個めのマドレーヌを食べている
彼の横顔を眺めていた。
『すっ…すいません、巴さん
さっきから、…ひとりで食べちゃって』
「ううん、いいの。
全部…食べてくれてもいいよ」
自分が焼いたマドレーヌなんて
もう…20年以上毎月の様に
作ってたら珍しくもなんともないし。
美味しそうに食べてくれる
彼の横顔を見てると
またマドレーヌ作ってあげようと
そんな風に思ってしまう。
『これ…普通に…ケーキ売ってる
店とかで売ってるのより美味しいですって』
焼き菓子ってパックになってて
日持ちする感じだから
あんまり洋菓子店の…マドレーヌって
あってココア味がある位で。
チョココーティングされてないもんな。
ココア味に…ドライラズペリーの
ドライフレークを合わせてるのは
彼にも…あげてないけど
甘さと酸味がマッチして、
大人の味…になってる。
単にイチゴのドライフレークの横に
ラズベリーのもあったから
ついでに買っただけ…なんだけど。
『チョコ掛けマドレーヌの
専門店…出せますよ巴さん。
めっちゃ美味いですもん…』
「いつもね、沢山みんな食べるから
100個とか作るんだよ…」
『100個って…ッ。
もう、それ…限定営業の
お店じゃないですか…ッ』
そう言えば…、
近所にそんなパン屋さんあるな。
普段はサラリーマンしてて
自分の家で月に4日程
自分の休みの日に食パン売ってる所。
その後…彼と一緒に
お風呂に入ったんだけど…。
『あ、今度の…3連休は…
また不動産屋行きましょうよ、
この間のじゃない所に…
電話で話してありますんで。
丁度…空き…来月末に出来る
オススメの物件ありますっ…って
電話した時に言ってたんで…』
そう…23日からの…3連休の話を
彼がお風呂に浸かってる時に言って来て。
「良い物件があると…いいね…」
『そうですね…、
テラスハウスとか…
良いかなって思ってるんですけど…』