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君とセカンドラブ
第9章 明日香の危機
「でさ~、でさ~、明日はいよいよ私たちのルートの目玉となる清水寺への参拝よぉ」
明日香の修学旅行は二日目を迎えようとしていた。
『寂しくなったら、いつでも電話してきていいんだから』
義兄の遼太は、修学旅行で孤独を感じたら
いつでも電話してくればいいと明日香を送り出してくれた。
きっと、友達もいなくて孤独な修学旅行になると思っていたからしょっちゅう遼太に電話することになると想像していたけれど、
グループ行動をする三人の女子と、思いがけずに心をうち解け合って、今では旅館で枕を並べて夜更かししながらおしゃべりをする関係を結べたので、
遼太へ電話することなど必要なかった。
今もグループのリーダーである優香里がガイドマップを枕元に広げて明日の行動の確認をとっていた。
「また外国旅行者の方たちとコミュニケーションできたらいいよね~」
人見知りの激しい章子も
バイリンガルの明日香がいることで
積極的に外国旅行者に話しかけたりできるようになり、人一倍修学旅行を満喫しているようだ。
「清水寺へ向かう参道にはお土産屋さんがひしめき合っているそうよ」
「うわ~!お土産、たくさん買ってしまいそうだわ」
そんな明日の行動の話をしていると
ワクワクしてきて興奮して明日香は眠れそうにもなかった。