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君とセカンドラブ
第2章 葵との出会い
「はい!そうですか!ありがとうございます!
では、早速、契約書の締結に伺わせていただきますので、何卒よろしくお願いします!」
誠一は営業一課に掛かってきた電話の対応しながら、相手から契約を取り付けることに成功して
見えぬ電話の相手に向かって受話器を握りしめたまま何度も深々とお辞儀をした。
「ふぅ~…」
受話器を置いた誠一の周りに
営業一課の面々が目をキラキラ輝かせて誠一からの言葉を待っていた。
「みんな喜べ!
ついに大口の契約を取り付けたぞ!」
その言葉を待っていたかのように
一課の面々は「ウォ~!!」ととんでもない奇声を発した。
「これから契約を取り交わしてくる
みんな本当にありがとう!
どうだ、今夜は慰安会でも開くとするか?」
誠一の言葉を待っていたかのように
再び「ウォ~!」と野性動物のような咆哮をあげて盛り上がった。
「女を呼んでもいいですよね?」
女好きの係長の沢村が女っ気のない慰安会など真っ平だと提案した。
営業一課は二課や三課と違って女性社員がいない。
男女平等雇用はどうしたと言われるほど男ばかりだった。
「そうだな…やっぱり華がないと盛り上がらないよな」
財布から万札が何枚飛んで行くのだろうと
出費は痛かったけれど、
そんなものは大口の契約を取ったことで何倍ものボーナスとして会社から与えられるのは目に見えていた。
「ケチな事は言わんぞ、お前たち一人ずつにコンパニオンをあてがってやるからな!」
ブリーフケースに契約書を詰めて
社員の喜ぶ顔をみて肩の荷が降りた気分だった。