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君とセカンドラブ
第11章 誠一の火遊び

「いやぁ~、この度はお疲れ様でしたなあ」

秋田営業所の所長である川原が
無事に営業を済ませた誠一を慰労と称して
小料理屋に誘ってくれた。

「所長こそ、こんな私のサポートをお願いして申し訳ありませんでした」

「いやいや、東京本社のバリバリの営業エリートに来ていただいて、こじれていた案件を意図も簡単にまとめてしまったのですから大助かりですわ」

ささ、もう一献どうぞと
あまり呑めないと言っているのに
お構いなしにお銚子を掴んで誠一のお猪口に酒を注ぐ。

「お酒、もう一本お付けしましょうか?」

頃合いを見計らって仲居が酒のおかわりを勧めてくる。

「いや。もう結構です」

放っておくと、川原所長がどんどんと酒を注文するので、彼が口を開く前に酒の催促を制した。

「どうですか?米どころの酒はなかなかいけるでしょ」

確かに酒はどの銘柄を呑んでも旨い。
だが、あまり呑みすぎて酔ってしまうと
明日の朝が辛い。

少しだけ早めの電車に乗って
一刻も早く東京で待つ葵の元に帰りたかった。

「秋田はね、秋田美人と申しまして
女がこれまた美人揃いなんですよ」

川原が言うように
先程から料理や酒を持ってきてくれる仲居は
グラビアモデルか?というほどの美しさだった。

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