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君とセカンドラブ
第14章 招かざる客

さんざんなキャンプだった。

あれから男の子たちは互いに牽制しあい、
眠りに落ちようものなら明日香を寝取られると思ったのか一睡もせずに互いに睨み合っていた。
そんな殺伐な空気だから、明日香も体がクタクタなのに、こちらも寝ることが出来ない。

そんなキャンプを終えて家に帰りつくと
何やらバタバタしていている。

「黒の靴下、どこにしまってあるんだっけ?」

誠一が半ば怒鳴るように葵に尋ねているが、
当の葵は何も答えずに放心状態でソファに座り込んだまま動けずにいた。

「明日香、お帰り」

ただ一人、いつもと変わらずにダイニングテーブルに着席して遼太が優雅にコーヒーを飲んでいた。

「何があったの?」

遼太の隣に腰かけて、呆然としているソファの葵を気遣いながらたずねてみた。

「葵さんのお母さんって人が亡くなったみたいだよ」

会ったこともない遼太にしてみれば、
それが自分にとっても祖母という認識はない。
だから、お通夜も葬儀にも出席しないと決め込んでのんびりしていたのだ。

「おばあちゃんが…!」

遼太にその事を知らされてからは
明日香もまた母の葵と同様に呆然自失に陥いりそうだったが、母を慰めなければと気丈に立ち上がって母の葵の元へ足を運んで静かに抱きしめた。

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