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君とセカンドラブ
第3章 葵という女
結婚生活はとても幸せだった。
やがて葵は娘を出産した。
ジョージは軍隊を退役し、
三人で東京に出て、小さいスナックを経営して生計を立てた。
決して裕福ではなかったが、
それなりの生活を送ることができた。
だが、そんな幸せも束の間であった。
ある日、スナックの店じまいをして帰宅途中で
ジョージは飲酒運転の暴走車に撥ね飛ばされて命を絶たれた。
まだ幼い娘の明日香を連れて
彼が残してくれたスナックで懸命に働いたが
悪い奴らの口車に乗せられて
あまりにも呆気ないほどに店を乗っ取られてしまった。
途方に暮れた葵に一人の女性が救いの手を差し伸べた。
スナックの常連客だった「おたかさん」と呼ばれていた女性が
「よければ私の仕事を手伝ってみない?」と言ってくれた。
それが派遣コンパニオンの仕事だった。
もともとスナックを営業していて
水商売は手慣れたものであっただけに
性に合ったというかメキメキと頭角を現し
あれよあれよという間にチーフパーサーにまで登り詰めた。
ヤリマンの多いコンパニオンたちだが、
葵はよほど気に入った男でなければ体を許さなかった。
それに、いくら好みの男に抱かれても
決して心から気持ちいいと思うことはなかった。