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君とセカンドラブ
第4章 誠一という男
「…ご休憩…いいかな?」
「ええ、あなたのお望み通りに…」
晴海はタクシーの車内で何もモーションを起こさない誠一に焦れて、彼の手を取ると太ももに導いてあげた。
その柔らかい肉質の太ももに触れた瞬間、
プチンと誠一の理性が千切れた。
タクシーの運転手に気づかれないように
顔は正面を向いたまま、
指だけがモゾモゾと動いて
少しずつ晴海の股間に忍び寄ってくる。
「はぁん…」
思わず晴海が色っぽい声をあげたものだから
タクシーのドライバーが「お客さま、どうかされましたか?」と二人が戯れているのを知っていながら、わざとらしく声を掛けた。
「いや、何でもないんだ…」
誠一はコホンとわざとらしく咳払いをして
後部座席でいやらしいことなどしていないよと取り繕った。
『誤魔化すのが下手な客だ』
夜の帳(とばり)に消えゆくカップルを
いやというほど乗せてきたからこそ
ドライバーは、そのカップルが上手くいくかどうかを見分ける自信があった。
『この男、悪いがフラれるタイプだな』
この女は、あんたにゃ勿体ねえよと
バックミラー越しに晴海の整った顔立ちを観賞しながら誠一の事を貶した。
「ここでいいですか?」
露骨にラブホテルの入り口に横付けして
こちらが「ああ、ここでいいよ」という前にタクシーの後部ドアが開かれた。