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君とセカンドラブ
第4章 誠一という男
「お釣りはいいから!」
ドライバーに五千円札を握らせると
道行く人々と顔を合わせないようにして
急いでホテルのドアに逃げ込んだ。
「意外と…恥ずかしいものだな…」
平静を装ってはいるが
これが人生最初のラブホテル体験なので
今にも鼻血が噴き出しそうなほど興奮していた。
いや、その興奮はラブホテルが初めてというよりも、女体を初めて抱くということも重なって心臓が爆発しそうだった。
そう、何を隠そう、誠一は三十路になろうかというのに、未だに女を抱いた経験がなかった。
つまり、童貞だったのだ。
だからフロントロビーで部屋の選び方さえわからない。
「え、えっと…」
てっきりシティホテルのように
フロントロビーで入室手続きをするものだと思っていたのに、受付けフロントなるものが存在しない。
『こりゃあ困ったぞ…』
思わず固まってしまった誠一を尻目に
「私、この部屋がいい~」と
さも、そうすることが当然のように部屋の画像のタッチパネルを叩く晴海。