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君とセカンドラブ
第5章 溶け合う夜
誠一の過去を聞き終えた葵は
涙をポロポロと流していた。
「おいおい、泣かないでくれよ」
「だって…奥さま…産んだ男の子を抱くこともなく…」
葵は親だから、娘の母親だから、
出産した男の子を抱くこともなくあの世に旅立った晴海さんの悔しさが手に取るようにわかる。
それに、シングルマザーだからこそ
一人親として子育ての苦労も理解できた。
シングルマザーと比べて
男親は経済的には余裕があるかもしれないけれど
遠足などのお弁当作りや
掃除に洗濯などの毎日の事はシングルマザーと比較しても同じぐらい大変だったに違いない。
「大変ね」と同情してくれる女性は、
今までにたくさんいたけれど、
涙を流してくれる女性は葵が初めてだった。
「もう全て過去の事だよ」
苦しい思い出ばかりじゃない。
それなりに楽しい事もあったからこそ頑張ってこれたんだよと葵にハンカチを差し出しながら
誠一は自分に言い聞かせるように呟いた。
「私…あなたを好きになってしまいそうよ」
受け取ったハンカチで涙を拭いながら
互いの傷を舐め合うように
これからの人生を共に歩んでみたいと葵は思った。
「僕は、とっくに君に惚れているけれどね」
「嘘おっしゃい…
生活の為とはいえ、コンパニオンのアフターでさんざんいろんな男に抱かれてきた女よ
こんな汚れまくった体なんかに興味はないでしょ?」
「嘘じゃないんだ
真剣に君を愛したいと思っているんだよ
その証拠に…ほら…」
葵の手を取って自分の股間に導いてやる。
そこには激しく欲情しているシンボルが息づいていた。