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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香
「でも…お掃除や洗濯、それに食事は私がしても構わないんでしょ?」
「いえ、それも結構です
言いましたよね?単なる同居人でいいと…
僕たちはデリバリーや外食で済ましますから
お二人はゆっくりと食事をしていただいてかまいませんよ」
「そんな…」
葵は愕然とした。
誠一の妻になるからには
自分の娘は勿論、遼太にも愛情たっぷりの料理を食べて欲しかった。
「これが僕と明日香さんの出した結論です」
「よしっ!契約成立だ!
祝杯を上げよう」
誠一は営業マンらしく
このいびつな家族関係も一つの契約だと思えばいいと割りきった。
しかし葵は愛する誠一と一緒になるために
お腹を痛めて産んだ娘も、遼太の継母になることを捨てなければいけなかったので愕然とした。
「大丈夫…いざ、共に生活を始めれば
なるようになるから」
安心させる意味合いを込めて
誠一はテーブルの下で、しっかりと葵の手を握った。
その後、自宅の大改造と部屋替えが始まった。
親父の部屋には遼太が移り、遼太のもとの部屋へ明日香が入居した。
二階が遼太たちが住み、一階の父の書斎を改造して夫婦の部屋にした。
こうしてリノベーションが終わった四人の同居が始まった。