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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香
「お二人の再婚に際して…
僕たちからお願いがあります」
神妙な言葉遣いに
思わず誠一と葵はゴクリと生唾を飲み込む。
お願い?お願いってなんだろう?
互いに不安な気持ちが顔に出て
どちらからともなく心の準備をしようと
席に深く腰かけて姿勢をただした。
『どうする?
君の口から直接話すかい?』
『いいえ…あなたからお願いします』
再婚に際しての要望を伝えるのに
どちらから話すかと明日香と遼太はアイコンタクトを取り合った。
わかった…
明日香の意をくみ取った遼太が
僕から話をさせてもらいますと
明日香の代弁を買って出た。
「お二人の再婚を咎めるつもりはありません
惚れあってしまったのだから僕らに反対する理由はありません。
ただ…」
「ただ…なんだい?」
せっかちな誠一が早く答えを知りたいと
急き立てる。
「僕らのプライバシーには顔を突っ込まないで頂きたいんです。
それこそ、父親面したり、母親面はしないでください」
「そういうことなら…なあ?」
誠一はお安いご用だとばかりに葵に「かまわないよな?」とお伺いを立てた。
「それはつまり…家族としてではなく
単なる同居人になりたいって事なのかしら?」
バカげているわと、葵はうんざりとした表情をした。
「そう、まさにその通りですよ
それと、もう一つ…僕はどうでもいいけど、
彼女には自室を与えてプライバシーの保護は完璧にしてください」
そんなのはお安いご用だと
再婚を認めてくれるのなら、それで手を打とうと
誠一は安易に答えた。