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君とセカンドラブ
第1章 新しい家族
「そりゃあ今すぐ無理にとは言わないよ
じゃあ、こういうのはどうかな?
お互いに一つ屋根の下で暮らす同居人って思ってくれればいいんだから」
何がなんでも誠一は葵と結婚したいらしくて
苦肉の策を口にした。
「そうね…明日香、そうしましょうよ
一緒に暮らしているうちに
互いの素敵な部分を確かめ合うことが出来るんだし…」
やれやれと遼太は思った。
恋は盲目とは言うものの
もう少し段階を踏んでからにすればいいのにと
大人げない父の誠一と母になるであろう葵の顔を見比べながら気づかれないようにため息をついた。
しかし、葵が家に来てくれれば
コンビニ弁当ばかりの夕飯から解放されるなと
父と葵が夫婦になってもいいかと思い始めていた。
「僕の事を兄と思いたくなければそれでもいい
なに、簡単さ、単なる同居人と思えばいいんだからさ、互いにプライバシーを尊重し合ってゆっくりと家族を形成していけばいいんだよ」
遼太にしても
外見がほとんど異国人の女の子を妹だと呼べるはずもないので、自分に言い聞かせるように取り繕った。
「ほんとね?プライバシーには口を出さないのね?
あなたも父親面して私に接しない事を約束してくれますか?」
「ああ…もちろんだとも…」
もっと結婚を祝福してもらえると思っていた誠一は、思わぬ展開に困ったが、まずは葵を妻にすることが先決だと望まぬ条件ではあるが、それを飲まないわけにはいかなかった。