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天空のBlack Dragon
第3章 描く
小山君の話題からいつの間にか変わったらしい。しかし元社員で私の妻であってもその辺の事情はデリケートなものがある。余計な心配をかけたくもない。だから当たり障りのない返事をした。
食事が終わり、リビングからお絵描き帳とクレヨンを持ってきた息子の|拓矢《たくや》が「はい。パパ」とそれを差し出した。
「何か描いてよ」
「パパがかい?」
「そうだよ」
「何を描こうか」
「何でもいい!描いて描いて!」
今は可愛い盛りだがもう少ししたらきっとこんな風に甘えてくれなくなる。自分だってそうだった。
目をキラキラさせている息子からお絵描き帳を受け取り、そこで私の脳裏にあのドラゴンの威容が浮かんだ。
"彼"はきっと今この時でも、大空にいる。たとえ見えなくても私にはわかる。感じるのだ。理由なんかどうでもよかった。
「パパ!パパ!ねえねえパパったら!」
「うん?」
「すごいや。カッコいい!」
「えっ」
息子の歓声を聞いた妻が「どうしたの?」とやってきた。私の手の中にあるお絵描き帳を見るなり驚いた声を上げた。
「すごい!あなたにこんな才能があったなんて知らなかった」
何を驚いているのか、いったい何を言われているのかわからない。
「まるで生きているみたい。それ….」
「わあい。ブラックドラゴンだ!」
お絵描き帳に目を落とす。無意識のうちに自分で描いたらしい。
そこに、"彼"がいた。
食事が終わり、リビングからお絵描き帳とクレヨンを持ってきた息子の|拓矢《たくや》が「はい。パパ」とそれを差し出した。
「何か描いてよ」
「パパがかい?」
「そうだよ」
「何を描こうか」
「何でもいい!描いて描いて!」
今は可愛い盛りだがもう少ししたらきっとこんな風に甘えてくれなくなる。自分だってそうだった。
目をキラキラさせている息子からお絵描き帳を受け取り、そこで私の脳裏にあのドラゴンの威容が浮かんだ。
"彼"はきっと今この時でも、大空にいる。たとえ見えなくても私にはわかる。感じるのだ。理由なんかどうでもよかった。
「パパ!パパ!ねえねえパパったら!」
「うん?」
「すごいや。カッコいい!」
「えっ」
息子の歓声を聞いた妻が「どうしたの?」とやってきた。私の手の中にあるお絵描き帳を見るなり驚いた声を上げた。
「すごい!あなたにこんな才能があったなんて知らなかった」
何を驚いているのか、いったい何を言われているのかわからない。
「まるで生きているみたい。それ….」
「わあい。ブラックドラゴンだ!」
お絵描き帳に目を落とす。無意識のうちに自分で描いたらしい。
そこに、"彼"がいた。