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天空のBlack Dragon
第4章 私にできること
急にアートな趣味を始めた私に、妻と子は最初は驚いた顔をしたが、先日のお絵描き帳の件もあるのだろう、否定することなくむしろ逆に積極的に認めてくれた。ありがたいことだ。
しかし、いざ描いてみると、どこか違う。何かが足りないとしか思えない。リビングの壁に飾られたクレヨンで描いた"彼"に到底及ばない。
「そんなことないよ。あなた。すごく綺麗だわ」
「もっと描いて!パパって凄いや!」
妻の香奈美と息子の拓矢は大絶賛してくれる。でもやはり。違う。何度描いても、何枚描いても満足のいく"彼"にはならない。やはりリアルな"彼"を視界に捉えながら描かないと駄目なのか?しかしお絵かき帳に描いたのはここ我が家であって条件は同じはずだ。
自宅でくつろいでいる時もテレビを見ている時でも、買い物に出かけていようが、私がどこにいようが、私のブラックドラゴンの存在はわかる。たとえ見えなくても天空の高みの、そこにいる。
そうだ。山本に相談してみようと急に思いついた。同窓会で名刺を交換し、懐かしさから何度か会って酒を飲んだり飯を食ったりしながら話をした。最後に会ってから一年以上経っているはずだが連絡先はすぐにわかる。
しかし、いざ描いてみると、どこか違う。何かが足りないとしか思えない。リビングの壁に飾られたクレヨンで描いた"彼"に到底及ばない。
「そんなことないよ。あなた。すごく綺麗だわ」
「もっと描いて!パパって凄いや!」
妻の香奈美と息子の拓矢は大絶賛してくれる。でもやはり。違う。何度描いても、何枚描いても満足のいく"彼"にはならない。やはりリアルな"彼"を視界に捉えながら描かないと駄目なのか?しかしお絵かき帳に描いたのはここ我が家であって条件は同じはずだ。
自宅でくつろいでいる時もテレビを見ている時でも、買い物に出かけていようが、私がどこにいようが、私のブラックドラゴンの存在はわかる。たとえ見えなくても天空の高みの、そこにいる。
そうだ。山本に相談してみようと急に思いついた。同窓会で名刺を交換し、懐かしさから何度か会って酒を飲んだり飯を食ったりしながら話をした。最後に会ってから一年以上経っているはずだが連絡先はすぐにわかる。