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食虫植物
第1章 優雅な1日
「遅い!」
 入室するなり投げ付けられた怒声に陽子の身体がビクリと震え胸から下がった鈴がチリンと涼しい音を立てる。
 「申し訳御座いません」
 その場に土下座し額を毛足の長い絨毯に擦り付ける。
 肩口から左右に別れた黒髪。
 鶴の様に細い首、程よく脂の乗った背中。白いエプロンの紐の先には丸く迫力のある臀朶。
 今まで数えきれない程見た臀だが見飽きる事がない。
 その証拠に股間で愚息がムクムクと鎌首を擡げる。
 仕方のない奴め。
 苦笑しながらゆっくり陽子の後ろに回る。 
 その気配だけで何をされるのか察し陽子の膝がゆっくり伸びる。
 額は床に着いたまま膝立ちになれば白い背中が弓形に反る。 
 これが我が家で臀打ちされる奴隷のポーズだ。
 不自由な姿勢のまま膝を左右に開くと臀朶もつられて開き奥で密かに息づく薄茶色の菊門が姿を見せる。
 そして太腿の間には純金製の極細の鎖が3本下がっているのが見える。
 大陰唇から下げられた鎖の先には胸のピアスとお揃いの鈴が、真ん中のクリトリスから下げられた鎖の先には100gの錘がそれぞれ付いている。
 右足のスリッパを脱ぎ手に取ると爪先部で鎖を撫でる。錘と鈴が揺れるが胸のと違い鎖を伝い滴った愛液で濡れているせいで鈍い音しかしない。
 「なんだ?臀打ちされたくて態と遅れて来たのか?」
 降り注がれる冷たい嘲笑に大きな臀が左右にふれ否の意を表すが俺には早く叩いてとの催促にしか見えない。
 スリッパの底を臀朶に当てる。
 「来るのに40秒掛かったから40回だ!」
 「御主人様。不出来でノロマな雌犬にお仕置きして一人前の奴隷にして下さい!」
 教え込まれた口上を述べると更に高く臀を付き出す。
 ピシッ!
 乾いた音を立てて臀朶が鳴る。
 「1回です」
 陽子が数を数える。
 ピシッ!
 「2回です」
 ピシッ!
 「3回です」
 ここで大きく振り被り力一杯叩き付ける。
 バシィ〜ン!左
 「ヒィ〜!よ、4回です」
 こうやって強弱をつけながら叩きつづける。
 「38回です。…39回です。…よ、40回…です。」
 数え終わった陽子の「右の」臀朶は真っ赤に腫れ上がっていたがこれで終わりの訳がない。
終わったのはあくまで右の臀朶なのだ。
 「御主人様。どうぞ雌犬の左臀もお叩き下さい。」
 仕込まれた口上を述べる声はとても艷やかだった。
 
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