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生贄の 人妻
第8章  取引先の 社長
家内は 和江という名前で その時24歳だった 
女子高女子大を出て 同じ会社で働いていて 和江に 
私を初めて好きに成った男だと言われた時は
驚いて まじまじ 彼女を見つめてしまったよ
あの日は どうこの話を 無しにしようか 
そればかりを考えていたな
小さな会社で 娘を反故にしたら 働けなくなる 
新しい仕事を探さないとな そんな事も考えて 
私は同じなら 嫌われるの覚悟で 話した
私は 他の人と違うから 結婚できないとね
結婚した後 和江が私の胸の上で あの時は 
私を嫌って言ったのだと思ったと 笑っていたな
和江 真っ直ぐで 少し強引だったな まあ 
お嬢様だから 我儘な面も有ったのかも

結婚した後は 良い奥さんだった 私を前に出して 
子供も3人産んで しっかり育ててくれたよ
和江は それでも 引かなかったから 私が根負けしてしまってね
日曜に 私の部屋へ来てもらったよ 
可愛い 白のワンピースで 部屋に入ってきて
部屋の中を きょろきょろ見回して パックの紅茶を出して 
私の分はと聞くから カップが無いからと言ったら 
台所から茶碗を持ってきて 半分入れて 私に差し出して来て

「 飲みましょう 」

座って カップに口を付けたのを見た時 
失うのが怖くなったな その時惚れたのかな
和江が 紅茶を飲み終わって 大きな目で私を見て 
教えて頂けますと 言われた時
また 迷ってしまった 話さないで 一緒に成って 
月に1,2 度 新宿のお店で
そんな事もその時は思ったな 和江の座っている姿を見て 
普通に彼女を抱けない
長く一緒に暮らして そこで嫌われるなら 今 話すべきだと 
私は本棚の奥から雑誌を抱えて 彼女の前に置いて 
私は 女性を縛ったり 蝋燭を垂らして
苦悶する姿を見ないと出来ない性癖だと 伝えてね
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