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生贄の 人妻
第15章 3月15日
麻衣の差し出したペットボトルを 
半分程飲み 麻衣を見て

「 ありがとう・・・・ 」

深い感謝の籠った響きを持たせ 言った
麻衣が怪訝な顔で 見ると 久我は麻衣を前の椅子を指し
前に座ると 麻衣の顔を優しく見つめて

「 麻衣さんと 夜を過ごした頃 社長は私と白壁 
  一緒に居たもう一人と 何方かを社長にと 
  競っていた時だったんだ 」

「 あの日 麻衣さんと話をした時 貴方の目の中の
  哀しみを見ててね こんな爺に 抱かれて
  辛いんだなと思ていてね 貴方が ご主人の名前を
  言った時 本当に愛しているんだな 貴方の言葉の
  後ろに 深い愛情を見ていたな 社長もそれを
  感じていたんだろう だから 森君が居なくなった時
  少し 気まずい沈黙が流れただろう 」

「 まあ 助平な親父達だ いや 爺達だから・・・ 」

「 若い娘を 抱けると ・・・・ 」
少し照れたように話を続けて行った

「 あの夜 麻衣さんは 私達に 一生懸命 尽くしてくれて
  嬉しかった 社長も凄く喜んで あの年で 冥途の土産話が
  出来たとか 次の日の朝 燥いでな 白壁が5万位皆でと
  言い出したんで 私が止めてね・・・ 」

「 麻衣さんと過ごした夜なら 私10万でも払ったよ
  そう言ったら 二人10万づつ出したと思うよ
  麻衣さんそれを受け取った時 どう思うか考えて
  止めたんだよ・・・・ 」
麻衣の瞳の奥を 優しい目で覗き込んで言い続けた

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