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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日
11
「うーん…でも…」
「もぉ、でもってなんですかぁ?」
「え、あっ、うん…」
その時…
「いらっしゃいませ…」
他のお客様が来店した。
「どうぞ、こちらへ…」
彩ちゃんは来店してきた20代後半の会社帰りのカップル風のお客様をわたしの反対側のカウンター席に案内をしながら…
『ちょっと待ってて…』
と、目で語る。
もっと素直になれ…かぁ。
わたしはいつものカクテルを飲みながら、さっきの彩ちゃんの言葉を思い浮かべていた。
素直にか…
でも素直になって、いや、なったとしてもリアルな9歳差という年齢差の現実は変わらない。
そしてわたしはそれが一番怖かった…
今はいい…
今、わたしはもう少しで誕生日を迎えてしまうがまだいちおう37歳…
たがいちおう30代前半には見られるし、その努力もしている、そんな女盛りの年齢である。
かたやビッケ、和哉は28歳…
正に青年、爽やかな青少年の雰囲気の男、いや、男の子的な見た目であった。
だから今はいい、ううん、今が一番、いや、かろうじて見た目のバランスが取れている時であろう…
だが、1年後は?、2年後は?、果たしてどうなのであろうか?
仮にビッケが30歳の時はわたしは39歳…
35歳の時は44歳…
そして何より、どうやらわたしは…
不妊、授からないカラダみたいであるのだ。
果たしてビッケ、和哉、彼は、その現実を飲み込めるのであろうか?
これから彼はますます男盛りとなり、かたやわたしは女として老いに向かい始める年齢となり…
その追い掛けっこは永遠に追い付け、追い越すことはできないであろうはず。
つまり…
お先真っ暗なんだ…
今はいい…
今が一番いい…
だが、それからの未来は果たして?
いや、考えなくても分かる…
それに…
もうわたしは傷付きたくは無い…
もう大好きな、大好きだった、愛する、愛した存在を…
もう失くしたくはないんだ。
そしてその辛く、ツラく、悲しく、哀しい想い、思いを二度と味わいたくはないんだ…
あの苦しさ、悲しさはもういらない。
「うーん…でも…」
「もぉ、でもってなんですかぁ?」
「え、あっ、うん…」
その時…
「いらっしゃいませ…」
他のお客様が来店した。
「どうぞ、こちらへ…」
彩ちゃんは来店してきた20代後半の会社帰りのカップル風のお客様をわたしの反対側のカウンター席に案内をしながら…
『ちょっと待ってて…』
と、目で語る。
もっと素直になれ…かぁ。
わたしはいつものカクテルを飲みながら、さっきの彩ちゃんの言葉を思い浮かべていた。
素直にか…
でも素直になって、いや、なったとしてもリアルな9歳差という年齢差の現実は変わらない。
そしてわたしはそれが一番怖かった…
今はいい…
今、わたしはもう少しで誕生日を迎えてしまうがまだいちおう37歳…
たがいちおう30代前半には見られるし、その努力もしている、そんな女盛りの年齢である。
かたやビッケ、和哉は28歳…
正に青年、爽やかな青少年の雰囲気の男、いや、男の子的な見た目であった。
だから今はいい、ううん、今が一番、いや、かろうじて見た目のバランスが取れている時であろう…
だが、1年後は?、2年後は?、果たしてどうなのであろうか?
仮にビッケが30歳の時はわたしは39歳…
35歳の時は44歳…
そして何より、どうやらわたしは…
不妊、授からないカラダみたいであるのだ。
果たしてビッケ、和哉、彼は、その現実を飲み込めるのであろうか?
これから彼はますます男盛りとなり、かたやわたしは女として老いに向かい始める年齢となり…
その追い掛けっこは永遠に追い付け、追い越すことはできないであろうはず。
つまり…
お先真っ暗なんだ…
今はいい…
今が一番いい…
だが、それからの未来は果たして?
いや、考えなくても分かる…
それに…
もうわたしは傷付きたくは無い…
もう大好きな、大好きだった、愛する、愛した存在を…
もう失くしたくはないんだ。
そしてその辛く、ツラく、悲しく、哀しい想い、思いを二度と味わいたくはないんだ…
あの苦しさ、悲しさはもういらない。