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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日
 14

 わたしには、その男の名前なんてどうでもいいんだ…

 ただ…

 ただ、今夜のこのデレ女となってしまい迷走し、迷宮に彷徨いつつあるこのわたしを…
 クソなビッチ女に戻られればいいだけだから。

「ふーん、そう…」
 だからわたしは、その男の名前なんか聞き流してしまう…
 いや、耳にも入ってこなかったのだ。

「ここにはよくお一人で?」

「え?、あ、あぁ、うん」
 その男の話しさえもよく耳にさえ入ってこない。

「えぇ、うん、たまに一人でね…」

「そうなんですかぁ…
 俺はまた、彼とかとよく来てるんじゃないのかなぁって…」

「…いや、いつも一人よ…」

「え、そうなんですか?」

「うん、一人…」

「じゃあ、俺はツイてるなぁ」

「え?」
 わたしはだんだんとこの男の会話に、いや、言葉にイラついてきていた。

 なぜならば…

 だってこの男にとって目的はひとつであろうに…
 
 ただ、ヤリたいだけだろうに…

 この目の前にいる女の、この男にとっては今夜の獲物であるわたしという女の、そしてこの朗らかな不惑な表情や、その心の中に渦巻いているであろう迷走等を察知して口説き落そうという気持ち、気概が感じられないからである。

 そして、ただ軽そうな女だから簡単だろうとタカをくくり、世間の安っぽいナンパのマニュアルみたいな言葉を並べているだけにしか感じられないのだ。

 確かに今夜のわたしは、自らをエサにして、簡単に釣られる様に仕向けたのだが…
 いつもなら…
 返り討ちにするタイプの男なのだが…

「アンタさぁ…
 ただ、わたしと…ヤリたいんでしょう?」

 今夜のわたしにはちょうど良いのかもしれない…

「えっ?」

「ただ、わたしとヤリたいだけなんでしょう」

 わたしは面倒臭くなっていた…

 ただ、ただ、わたしのこのデレ女と化した、自分らしくないこの心を…
 ビッケへの想いを…
 グチャグチャに壊して欲しいだけなんだ。

 それには…

「ヤリたいんでしょう?」

「あ、え、は、はい…」

 それには…

「でもね、わたしね…
 生理4日目なの…」

「え?」

「それでもヤリたい?…
 そんなわたしとデキるの?…」

 それにはこんなあり得ない、クソ女、クソビッチ女の…

 クソな言葉が…

 セリフが…

 最適なんだ。




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