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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日
  26

「う、うん、確かそうだわ…
 アレだって書いてあるし、確か土曜日に生理が終わったから呼び出した筈だから…」
 と、激しかったあの夜の記憶が戻ってくる。

  あ…

 だが、今、こうしてあの夜を振り返り、想い返してみると…
 確かにビッケ、和哉は、そんな激しいわたしの昂ぶりの様子に、一瞬、呆然としていた様な感じがあったのを思い出した。

 そ、そうだわ、そうよ…

 でもあの時は、あの夜は…

 そんな激しいわたしに一瞬、驚きの怯みからの呆然とした感じだって思ったんだったけれど…

 え、違ったのか?…

『やっぱりマズかった?』
 そう思った瞬間に、脳裏にはそんなビッケのあのツイートが浮かんできた…

 そしてその前の…
『あの夜からМさんの様子が変わった?』

 あの夜から変わった?

 あの夜から?

 変わったってなに?

 それに…

 なにがマズかったの?

 再び心がザワザワと騒めいてくる。

 そして本当はその騒めきの意味を…
 
 そのザワザワの意味を…
 分かってはいた。

 それは…
『あの夜からМさんの様子が変わった?』
『やっぱマズかった』
 その二つのツィートから容易に想像できるのだ。

 そしてビッケにしろそのМさんにしろ、もう28歳の大人の男と女なのである…
 それにビッケは正に男盛りの青年期の真っ只中なのだ、それはもちろん言わずもがなといえる、いや、むしろ自然といえるであろう。

 ましてやついこの前までは…

 いや違う…

 ついこの前まではビッケ、和哉への愛を、愛情の自覚をし、そしてビッケとの年齢差に対して強く意識をし、また、過去の自分の恋愛観と恋愛歴のトラウマにより…
 心が激しく、揺れに揺れていた。

 いや、まだ完全にはビッケへに対する愛情の自覚は認識はしたのだが…
 まだまだ揺れ、足掻き、もがいているんだ。

 そしてそんなわたしの心の揺れ、揺らぎに明朗なビッケは間違いなく敏感に察知し、感じていた…

 だからつまりは、ビッケ、和哉も揺れ、揺らいでいるに違いないんだ…




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