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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日
 31

『3月10日
 Yさんと♡♡して帰宅、そして偶然にもYさんが今夜生理になったという…』
『ホワイトデーと生理が丸被り』
『本当だったらガッカリなのだが、正直ホッとしている自分がいる』
『偶然のホワイトデー被りの出張もYさんに言えたし、少し良かった』
『だけどこの出張はМも一緒なのだ』

 え、出張に一緒って…
 この一文にわたしの心が一気に騒めき始めてしまう。

「え?」
 そして一緒にこのXツィートを覗いている彩ちゃんも、多分、同じ思いを感じたのであろう…
 そう思わず声を漏らしてきた。

 出張に一緒にって…

『でも他に係長もKさんも一緒だし』
『それにYさんを愛しているから、揺らぎはしないだろう』

 スクロールしながら読んでいくと、そのツィートの一語一語に心が揺れてしまうのだが…
 この『Yさんを愛しているから…』という一文にわたしは少しホッとしたのだ。

「あっ…」
 
 だが、次のツィートの一文を読んで、わたしは思わず声を漏らしてしまい…
 一気に心か激しく揺らいでしまった。

 そのツィートの一文は…
『だけど、あの夜を悔いてしまう』
『流れとはいえ…』
『Yさんがせっかく近付いてきたのに』
『自分の心の弱さにガッカリだ』

 え、これって?…

 もしかして?…

「え、これって?」
 そしてこれを読んだ彩ちゃんが、わたしの心を代弁するかの様にそう言葉を漏らしてきたのだ。

 そう、これって?…

 この一文はつまり…

 和哉がМさんと…

 シた?…

 それにあの夜って?

 空白の6、7、8日辺り?

 気づかなかった…

 いや、当たり前か、だってわたしは極力意識してまでも和哉のプライベートは詮索しないように努めていたのだから…

 わたしが気づくはずもないのだ。


 そして何より和哉は若い…

 男盛りの、ヤリたがりの…

 28歳の青年であるのだから…

 決して嫌ではない女性に迫られたりしたならば…

 ヤッてしまうのが普通なんだ。

 それに…

 このわたしに…

 いや、このわたしには…



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