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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日

32
それにこのわたしに、いや、このわたしには仮にその思い、想像が当たりだとしても…
和哉に対して責める、咎める、問う等々の資格なんて無いのだ。
思い返せばここ一ヶ月、いや、あのお正月の地震から一人勝手に心を揺るがせ、迷走気味に陥り、不惑の想いに駆られ、挙げ句に、高校時代の元カレと…
等々の正に自分一人勝手に心の迷宮といえる迷路に陥り、彷徨ってきた。
そしてなんとか和哉との距離を離そうと足掻き、藻掻いてきたりしていたのだから…
結果はこうした和哉の男としての懐の大きさと、熱い彼の思いに支えられ、再び自分を取り戻してきた流れがあったのだ。
だから…
このわたしには和哉、ビッケに対して何も、いや、何をも言う資格などないのである。
「え、これで終わり?」
彩ちゃんはツィートを探りながらそう呟き…
おそらくはわたしと同じ想いを想像しているであろう顔をしていた。
「…で、今夜の、今の今まで連絡がひとつも無いんですよね?」
「うん…」
「で、今日が出張の出発日なんですよねぇ?」
「うん…」
「帰ってくるのが?」
「17日って言ってた…」
「え、と、今日は13日だから、あと4日かぁ…」
「うん…」
「で、10日の夜を最後にLINEさえの音沙汰無しですよね?」
「うん…」
「……………」
彩ちゃんは無言でスプリッツァーをグイッと飲み干し…
「あ、いや、これは…」
「これはって?」
「きっと、何かのトラブルがあったに違いないですよっ」
「え、トラブルって?」
「そうトラブルですよ…
だって、10日の帰り際は普通だったんですよね?」
「うん…」
「♡♡ってツィートしてあるから、つまりラブラブって事ですよね?」
「あ……うん」
そのラブラブには気恥ずかしい。
「うーん…
その前後にかぁ…」
そう呟き、腕を組みながら思案するポーズをしてくる。
「でも、ツィートからは想像できる様な事を書いてはありますけどぉ…」
「うん…」
「決して悠里さんの事を否定の内容は書いていませんでしたよねぇ?」
「………」
わたしは黙って頷く。
確かにわたしを否定はしていない…
「逆にぃ、ヤッちゃってぇ、あ、うん、ヤッちゃってぇ後悔してる…みたいな」
いちおう彩ちゃんは気遣いをしてくれながら、そう言ってくる。
確かにそう受け取れる…
それにこのわたしに、いや、このわたしには仮にその思い、想像が当たりだとしても…
和哉に対して責める、咎める、問う等々の資格なんて無いのだ。
思い返せばここ一ヶ月、いや、あのお正月の地震から一人勝手に心を揺るがせ、迷走気味に陥り、不惑の想いに駆られ、挙げ句に、高校時代の元カレと…
等々の正に自分一人勝手に心の迷宮といえる迷路に陥り、彷徨ってきた。
そしてなんとか和哉との距離を離そうと足掻き、藻掻いてきたりしていたのだから…
結果はこうした和哉の男としての懐の大きさと、熱い彼の思いに支えられ、再び自分を取り戻してきた流れがあったのだ。
だから…
このわたしには和哉、ビッケに対して何も、いや、何をも言う資格などないのである。
「え、これで終わり?」
彩ちゃんはツィートを探りながらそう呟き…
おそらくはわたしと同じ想いを想像しているであろう顔をしていた。
「…で、今夜の、今の今まで連絡がひとつも無いんですよね?」
「うん…」
「で、今日が出張の出発日なんですよねぇ?」
「うん…」
「帰ってくるのが?」
「17日って言ってた…」
「え、と、今日は13日だから、あと4日かぁ…」
「うん…」
「で、10日の夜を最後にLINEさえの音沙汰無しですよね?」
「うん…」
「……………」
彩ちゃんは無言でスプリッツァーをグイッと飲み干し…
「あ、いや、これは…」
「これはって?」
「きっと、何かのトラブルがあったに違いないですよっ」
「え、トラブルって?」
「そうトラブルですよ…
だって、10日の帰り際は普通だったんですよね?」
「うん…」
「♡♡ってツィートしてあるから、つまりラブラブって事ですよね?」
「あ……うん」
そのラブラブには気恥ずかしい。
「うーん…
その前後にかぁ…」
そう呟き、腕を組みながら思案するポーズをしてくる。
「でも、ツィートからは想像できる様な事を書いてはありますけどぉ…」
「うん…」
「決して悠里さんの事を否定の内容は書いていませんでしたよねぇ?」
「………」
わたしは黙って頷く。
確かにわたしを否定はしていない…
「逆にぃ、ヤッちゃってぇ、あ、うん、ヤッちゃってぇ後悔してる…みたいな」
いちおう彩ちゃんは気遣いをしてくれながら、そう言ってくる。
確かにそう受け取れる…

