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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 15

  …………何が何でも、例え泣き落としでも構わないから、和哉さんに抱かれて、いや、抱かれたという既成事実を作りたかったから…………
 涙ながらにそう麻耶さんは心の慟哭をわたしに対して話し、訴えてくる。

 そしてそれはわたしに対して、いや、大人の女、元教師、元有名なバスケ監督先生としてのわたしという存在感に対しての甘えであり、いや、もう既に麻耶さん自身もこうして訴えれば必ずわたしが折れてくるだろう…
 いいや、和哉から離れ、降りるに違いないだろう…
 と、いう内心の彼女の想い、思い、計算、そして甘えの目論見がわたしには見え、伝わってきていた。

 やはり、最初に、彼女を部屋に招き入れた瞬間からわたしの心に浮かんだ通りに…
 ハナからこの和哉を巡る流れは決まっていたのだと思われ、いや、思っていた。

 なんかズルいな…
 そしてそう思い、感じた瞬間、わたしの脳裏にはそんな思い、想いが浮かんできてしまう。

 わたしを涙ながらな見つめてくる麻耶さんの目からは…
『こうして涙ながらに訴え、甘えれば、9歳も違うこの元女教師は必ず手を引いてくれるはすだ…』
 そんな彼女、麻耶さんの計算された想い、思いが伝わってくるのだ。

 なんかズルいな…

 ズルいわ…

 わたしの脳裏にはそんな想いが浮かび、渦巻き始めてきていた。

 そしてその想い、思いがまた再び、わたしの『天の邪鬼』というへそ曲がり的な…
 いや、ビッチたる由縁の感情の昂ぶりを高まらせてきてしまうのだ。

 そんな簡単には…

 そんな簡単には引きたくはないな…

 ううん、いや、和哉を渡したくはない…



 
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