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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 21

 ピンポーン、ピンポーン…

 その時、インターホンが鳴った。

 それも部屋直通のインターホンだ…

「あっ」
 そしてインターホンのモニターには… 
 和哉の姿が映っていた。

「あ、和哉だわ…」
 わたしがそう呟くと…

「えっ」
 と、麻耶さんは驚き、慌てて立ち上がる。

「きっと部屋の電灯が点いていたから、戻ってきたのかも?」
 そう、和哉は前にもこの部屋の灯りをチェックして、来訪してきた事があった。

「え、あ、ど、どうしよう」
 麻耶さんはすっかり慌て、動揺している。

「マズい?」
 そんな彼女をわたしはそう呟きながら問う。

「え?、あ…」

 マズい?…
 それはつまり、この出張から帰ってきたタイミングで麻耶さん自身がウチに、いや、わたしに直撃訪問しているという事実を和哉に対してどう説明できるのか?…
 と、いう意味をわたしは麻耶さんに問うたのだ。

「あ、は、はい、それは、まだ…」

 それは、まだ…

 それはまだ、和哉にとっての麻耶さんの立ち位置からの、わたしという存在を知っている筈もなく…
 それにまだ、拾ったスマホを持っているという秘密の事実についての説明、言い訳もまだしてはいない…

 つまりは、仮に和哉に対して麻耶さんがウチに来訪している、という事実の説明をした時点でそれは…
 麻耶さんの爆死、自滅を意味するのである。

「そうよね…」

 逆に…
 仮にわたしが、この麻耶さんという存在を許せないのならば、このタイミングで和哉を部屋に上げれば全ては簡単に終わる筈なのだ。

 だが…
 既にわたしは、いや、本来のわたしの本心では…
 今夜の麻耶さんの来訪のタイミングで自分自身にケジメを付けて身を引き、彼女に和哉を…
 と、覚悟は決めていたのだが、わたしの中の天の邪鬼的なへそ曲がりで、ビッチなクソ女のひねくれた本性の思いが、素直に、簡単に和哉を譲れない、いや、譲りたくはないとこうして麻耶さんを弄っているだけの事であり、そんな今の、このタイミングなのである。

 だけど、いくらビッチなクソ女のわたしとはいえ…
 そこまでの意地悪にはなれない。

 いや、なれない自分に苛立ちを感じてしまう…

 だけど…

「とりあえず隠れようか?」

 部屋の灯りが点いているし、居留守はしたくは無かった…



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