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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 25

 既にわたしは和哉のXツィートやこの麻耶さんというリアルな存在の登場と、なにより一度は、いや違う、あの『能登半島大地震』をきっかけに別れを何度となく考えてきていての、この今夜をきっかけにキッチリとわたし自身のこの思いを決断し、別れ、そして麻耶さんに和哉を譲ろうとは決めたのだ。

 いや、決めてはいたのだが、このわたしの本性であるヘソ曲がりで天の邪鬼的な、いわゆるビッチなクソ女の性格がこうして顔を現してきてしまっている今…

 すんなりと引きたくなくなり、そしてそう簡単には譲れない…
 そんな想い、思いが湧いてきていたのである。

「ま、ストーカーくん…
 とりあえず座ったら?」
 と、わたしのツッコミに面白いように狼狽えている和哉をソファへと導く。

「あ、は、はい…」

「とりあえずコーヒーを淹れてあげるわね」
 と、わたしはさっきの麻耶さんに淹れたコーヒーメーカーの残りを和哉に出してあげ…
「さ、どうぞ…」
 そして和哉の対面のソファに座り、顔を見つめる。

 その対面に座る和哉の後ろには引き戸がしまった畳コーナーが、いや、麻耶さんが潜み、そして耳を澄ませて必死に聞き耳を立てているであろう…
 そんな彼女の姿が、わたしには透けて見える様に感じていた。

「いただきます…ふぅぅ…」
 そして和哉はコーヒーを一口飲み、そんな吐息を漏らしてくる。

「ストーカーくん、久しぶりねぇ」
 わたしは和哉をからかう意味もあり、まだ敢えてそう呼ぶ。

「あ、そんなストーカーだなんて…」
 和哉だって、わたしが本気でそう思ってはいない事は分かっている上で、そんなわたしの様子をある意味愉しんでいるはずではあった。

 だって和哉自身はそんなひねくれた感じのわたしの事を理解をし、好いてくれている筈だから…
 またこうしてわたしに言葉でイジられる事自体が二人の会話の流れであり、ビッチ女とペットのビッケというセフレの関係上での会話のある意味『前戯』的な言葉の遣り取りであるとも分かっている筈であるから。
 
 そしてこんな言葉の遣り取り…
 つまりはわたしとビッケ、和哉との、二人の表面上のセフレという関係を微妙に高まらせるエスとエムといえる会話の『前戯』がきっかけとなり、わたし達は、いや、わたしは昂ぶりの疼きのスイッチを入れるのである。

 あ…

 いや、今までは…



 
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