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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
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 わたしは組んでいるストッキングの爪先をゆらゆらさせ、それを目で追う和哉の視線を確認しながら…
「ふぅぅ、それにしてもさぁ、反省してるっていう割にはさぁ…
 ガン見してくるわよねぇ…」
 と、意地悪でビッチな笑みを浮かべながら囁いた。

 すると…
「え、うっ、あっ、あぁ、い、いや…」
 そんな慌て、狼狽えた声を漏らしてくる。

「本当にキミはストッキングが好きなのねぇ」
 と、ゆらゆらとストッキング脚の爪先を左右に揺らしながら…
 そう、それは…
 後ろに隠れ、必死に聞き耳を立ててわたしと和哉の様子を伺っているであろう麻耶さんにも聞こえる様に言った。

 果たして麻耶さんは、この和哉のストッキングフェチな性癖嗜好の事を知っているのだろうか、いや、理解しているのであろうか?…
 わたしはそんな戯れ言的に和哉を揶揄いながら、ふとそう思う。

「あ…は、はい、だ、大好きっす…」
 和哉はほんの少しだが、声を上ずらさせ、夢見がちな目をずうっとこのわたしのストッキング爪先を見つめながら、そう呟く様に言ってくる。

 おそらくは、ストッキングフェチという性癖嗜好の存在は、女性のある程度は、そして麻耶さんも知ってはいるであろうが…
 そのストッキングフェチを理解し、いや、自らもストッキングラブな女という存在はわたしくらいしか、ううん、ストッキングを愛しているオンナはそう簡単にはいないであろうと思われる。

 そんな意味をも含めての…
 わたしの天の邪鬼で最悪なビッチでクソ女の性悪な思い、衝動が余計に昂ぶり、刺激され、心に囁いてくるのだ。

 そう簡単には麻耶さんには譲れない、いや、譲りたくはない…と。

 和哉をあげる代わりに、それなりに代償を払ってもらわなければ…と。

 だってわたしは、本当のわたしのホンネは…
 まだまだ和哉とは終わりにはしたくはないから。

 セフレの関係を、いいや、和哉を愛しているという本当の想いはとうに気付いているし、だけど、しかし…
 和哉との関係は、決して結ばれる事の無い関係であり…
 それはお互いの年齢差であり…
 お互いの環境から既にもう、わたし自身が理解をし、認め、諦めてはいたから
、ううん、諦めようとさんざん藻掻いてきていたから…
 だけど、わたしの中のビッチなクソ女という本性が簡単には譲るな…
 と、囁いてくるから。




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