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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 59

「だからもう帰ってっ…
 もう二度と来ないでっ...」
 わたしはそう叫んだ。

 もう終わり、もう和哉とは終わり、もう和哉とは逢わない…
 そしてわたしは、またビッチなクソオンナに戻るんだ。

 もうオトコなんていらない…
 あ、いや、違う、オトコはいる…
 だけどもう、男は愛さない…

 わたしには愛なんていらないんだ…

「さぁ、早く帰ってっ」
 わたしはそう麻耶さんに言い放ち、背中を向けた。

「…………ぁ……」
 すると麻耶さんは、なにかをわたしに向けて言いかけたのだが…

「…………………」
 
 ガタッ…
 結局、無言で、おそらくはバッグを手に取り玄関へと歩いていき…

 バタン…
 と、冷たい玄関のスチールドアの閉まる音を、残して、麻耶さんは出て行った。

「…………………」
 
 そしてわたしはその玄関に背中を向けながら、リビングのソファーに座り、脚を組み、いや、その組んだ脚のストッキングに走る伝線のストッキングの破れたスジを見つめ…

「………ふぅ...…」
 無意識に吐息を、いや、ため息を漏らしてしまう。

 なんて嵐の様な夜なんだ…

 この、今夜の流れと展開は…
 予想外、いや、ある意味、内心では、ううん、心の奥深くの何処ではこうなると予想はしていたと思う。

 だから…
 予想外であり、予想内の展開ともいえる。

 

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