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The Bitch (ザ、ビッチ)
第2章 2024年2月17日土曜日
 19

「ね、ねぇ、あん、お、オックン…」

 わたしは唇を離し、彼の目を見つめ…

「ね、ねぇ…」

「あ、うん?」

「さ、三回ね…三回よ…」

 思わず、そう呟いてしまった。


「えっ、さ、三回って?」

 するとオックンは少し驚いた様な表情になり…

「えっ、あっ、い、いや、三回ってぇ…

 いやぁ、三回…

 三回もできるかなぁ?…」

 と、言ってきたのだ。

「あっ…」
 わたしはそこで、自分の言い方を間違えてしまった事に気付き、慌てて…

「あっ、や、ヤダわ、違うの、違うのよ、言い間違いよ…」
 慌てて訂正する。

 そして一瞬の内に、ビッケ、和哉くんとの初めての夜を想い浮かべてしまう…

『ねぇ、三回できる?』
 あの時は確かにそう言った、だが、今は、全く違う意味の三回なんだ…

「あ、やだ、違うのよ…
 三回ってあの…

 三回、つまり、スリーディズって意味なの…」

「え、スリーディズって?…」

「うんとねぇ…
 今夜を含めて三日、三回って意味」
 そう言うと、再び不思議そうな顔をしてわたしの顔を見てきた。

「あ…ほ、ほら…あの………

 ほら、オックンは妻子持ちで、二人目のお子さんが間もなく産まれるという、ある意味幸せな筈でさぁ…」


「あ…う、うん…」

「たまたま、そう、たまたまね、今夜、偶然再会をしてさぁ…
 気持ちが一致して、お互いに昂ぶって、今夜があるだけでさぁ…」





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