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The Bitch (ザ、ビッチ)
第2章 2024年2月17日土曜日
 29

  まさかの…

 オックンの射精であったのだ。

「はぁっく、っくうぅぅ………」

 え、ええっ?…

「え?」

 僅かに、いや、正に一舐め…
 
 それは…

 根元を握り、亀頭を唇に含み、そして舌先を絡め、軽く舐め、しゃぶったばかりのタイミングであった。

 そして瞬く間に射精をし、わたしの口から激しく漏れ、溢れる程に、大量の精液を噴き出して…

「はぁ……ぁ…………」
 と、吐息を漏らし…
 ぐったりとベッドに横たわってきたのである。

「え……」

 わたしはその大量の精液をティッシュに吐き戻しながら…
 やや呆気に取られながらも、そのぐったりとした彼を見た。

「え、あっ、うそぉ……」

 そして、二度目の驚き…

 いや、呆気…

「…………………………………」

 なんと彼、オックンは…

 その射精の快感の余韻に浸るかの様に…

「…………………………………」

 寝落ちしてしまったのである…

「え…」

 まさか…

 まさかの事態であった。


 いくら酔っ払っているとはいえ…

 いや、さっきまでそれ程呑んではいなかった筈だし…
 
 酔っ払ってる感じはしなかったし…

「…………」

 わたしは呆気に取られながら、思わず彼を見つめていく…

「…ぅ………………ん…………」

 既に萎んでいる下半身を露にしながら…
 小さく寝息を立てて…

 オックンはすっかり寝込んでしまったようである。


 仮に…

 仮に、いくら疲れていようとも…

 これは無いなぁ…

「ふぅぅ…」

 だけど、なぜか、不思議に…

 怒り、苛立ちは湧いてはこなかった。

 だが…

 唖然…

 啞然…

 呆然…

 そして…

 呆気…

 そんな感情であった。

 そして…

 不意に脳裏には…

 ビッケ…

 和哉…

 彼の存在感が…

 浮かび上がってきていた。




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