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The Bitch (ザ、ビッチ)
第2章 2024年2月17日土曜日
 43

「はぁぁっくうぅぅ……」

 わたしはビッケ、和哉に後ろから挿入れられ、今迄の余韻と、気持ち、いや、心の昂ぶりのせいもあって…

「っくうぅぅぅ…………」

 瞬く間に4度目の絶頂感にさらわれ…

「……ぅぅ………ぅ……」
 そのまま寝落ちしてしまった。



「…んん……ぅ…ぅ……」

 そして…

「…ん…はぁ…ぅぅん…」

 目覚めると…

「…ぁ…………」

 ベッドにはわたし一人で寝ており…

「…ぁ…ぅん…」
 時刻は午前7時半過ぎ…

 どうやらあの後、瞬く間にイッてしまい、そのまま寝落ちしたのだろう、と、徐々に覚醒してくる意識と共に昨夜の記憶が蘇り、そして…
 同時に、恥ずかしさと、寂しさが湧いてきたのだ。

 恥ずかさは…

 和哉を、セフレのビッケ、ペットのビッケではなく、一人の男として再認識をし、そして、愛情の高まりと昂ぶりを認め、彼にそんな心の想いをおそらく見透かされてしまったかも、いや、見透かされたに違いないという思い。

 そしてもう一つの想いの寂しさとは…

 目覚めたら和哉が居ない、いや、居なくなり、おそらく帰ってしまったのだろう。

 そんな二つの思い、想いである…

 だけど、今迄は…

 和哉がセックスを終え、そしてその流れのままに一緒に朝を迎えるという事自体が、クリスマスだったり、先の年越しだったり以外には、わたしが嫌がり、彼を帰していたから…

 こうしてわたしが寝落ちして、そのまま静かに彼が帰るという事は…

 セフレペットのビッケとして、わたしがそう躾、いや、敢えてそうさせていたのだから、当然の事であったのだ。

 だが…

 今となっては、いや、昨夜からの気持ち、心の流れ的には…

 ううん違う…

 和哉への愛を再認識してしまった今となっては…
 寂しいのだ。

「ふうぅ…」
 わたしは、そう吐息を漏らしながら上半身を起こし…
 枕元のスマホを確認する。

 午前7時45分…
 まだオックンからの着信は無かった。

 いや、気不味くて電話なんて掛けられないのかもしれない…
 いいや、もう二度と電話は無いのかもしれない。

 それも少し寂しい…

「ふうぅ…」

 今日くらい、今朝くらい、朝まで一緒でも良かったのに…
 枕元を見つめながら吐息を漏らす。

 ピンポーン…

 インターホンが鳴った。

 


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