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The Bitch (ザ、ビッチ)
第2章 2024年2月17日土曜日
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 ピンポーン……
 だが、突然、インターホンが鳴った。

「え?」

 こんな朝から誰だ?
 わたしはそう想いながらインターホンのモニターを覗く…

「悠里さぁん、朝メシ買ってきたっすぅ」
 そこには和哉が映っていた。

「え?」

 朝メシって?…

「ロック開けてくださいよぉ」

 わたしのマンションは駅前に立地しており、一階のテナントにはコンビや24時間営業のハンバーガーショップ等が入居している…
 そしてこのマンションは一階エントランスロビーでロック解除をする仕組みとなっており、もちろん和哉には暗証番号は教えていなかった。

「あ、う、うん…」
 わたしは部屋からロック解除をする。

 そして心が再び昂ぶってきていた…
 いや、和哉が帰った訳ではなかったという現実に、少し嬉しい感情の昂ぶりを感じてきたのである。

「はいお待ちどうっす、朝メシ食べましょうよ」 
 にこやかな笑みを浮かべ、ブレックファストセットをテーブルに広げてきた。

「腹減ったっすよね」

「う、うん…」

 わたしはこのブレックファストセットの匂いとコーヒーの香りに…
 空腹感を急激に感じてくる。

 そしてまた、和哉が帰った訳ではなかったという安堵感の感情の昂ぶりをも自覚してきていて…
 心の揺らぎも感じてきていたのだ。

「か、帰ったんじゃなかったんだ?」

「あ、は、はい、つい僕も寝ちゃってぇ…」
 と、照れ隠しみたいな笑みを浮かべながらそう呟いた。

「…でぇ、腹減っちゃってぇ…」

「そ、そう…」
 わたしはこの心の昂ぶりの想いを悟られまいと、精一杯、スカした表情をしたつもりでいた。

 これも、いや、これこそが正に和哉の曰くの…

 ツンデレでもあるのだ…

「…………」

 そして和哉はこんな私の顔を見つめ…
『ホントは嬉しいくせに…』
 みたいな目を向けてきていた。

「さぁ、食べましょうよ」
 だが和哉は、それには触れてはこない。

「う、うん…」

 もうわたしは完全に和哉に見透かされてしまっていた…
 いや、間違いない。

 いつの間にかに、立場が逆転してしまったようであった…


 わたしは…

 ビッチな女のはずなのに…

 和哉はセフレでペットのビッケのはずだったのに…

 9歳も歳上なのに…











 
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