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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日
 2

「ふうぅ…」

「何、そんなため息してるんすかぁ?」
 するとトイレから戻った和哉が声を掛けてきた。

「え、違うわよ、ため息じゃないわよ」

「そうなんすか、なんか僕にはため息に聞こえるっすけどぉ…」
 
「違うわよ…
 ただ、こんなにヤられた事なかったから呆れていたのよ」

「え…あ、す、すいません…す…」

「ホントよ、もお、今、何時だと思ってるのよぉ」
 と、わたしはからかい気味に、そう言った。

「あ…も、もうこんな時間かぁ」
 和哉はわたしの言葉を受け、枕元の時計を見、そして窓の外のもう既に暗くなりつつあるまだ2月の冬の空を見てそう言ってくる。

「もお、ホント、わたしこんなにヤられた事無いからね」
 照れ隠しの意味もあった。

「あ、い、いや、ぼ、僕もっす」
 すると和哉は慌ててそう言ってくる。

「え?…」

「い、いや、ホントっすよ、こ、こんなにヤったの…
 は、初めてっすからぁ」

「ホントかなぁ?」
 わたしは完全にからかいモードになっていた。

「あ、いや、マジ、マジっすよぉ」
 
「………」
 わたしはそんな慌て気味に応える和哉の顔をジッと見つめていく。

「ホントっすよぉ」

「………」

「あ、いや、な、なんか、ヤっても、シても…
 次から次へと…」

 え?…

「な、なんか、ゆ、悠里さんが、いや、悠里さんのことが…」

 え?…

「な、なんか、愛しいくて、堪らなくなっちゃって…
 な、なんかヤらないと…
 どっか行っちゃうみたいな感覚になっちゃってぇ…」

「え?…」

 わたしはそんな和哉の言葉に心が震えてきてしまっていた…

「どっか行っちゃうって…一緒にベッドにいるじゃん?」

「あ、い、いや、な、なんとなくなんすけど…
 だ、たから、ほら、繋がって、あ、い、挿入れてないと……」

「え、い、挿入れてないとぉ?…
 だから、あんなにシてきたのぉ?…」

 半分呆れ…
 そして半分は内心、嬉しかった。

 だけどわたしは和哉曰く『ツンデレ』であり、いや、色々な意味で、そして今迄の関係上でもそうありたいから…

 嬉しい想いは表したくはなかったのだ。




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