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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日
 6

「ゆ、悠里さん…」
 そして和哉は、そんな感極まった声でわたしを抱き寄せてきた。

 おそらく、和哉にはこの、こんなわたしの心の想いは伝わって…
 いや、明朗な和哉には分かった筈である。

 だがわたしは、和哉曰く…
『ツンデレ』な女なのである。

 そして9歳も歳上な、他校とはいえ、元高校教師であるから…
 和哉に対しては常に上の立場でいたいし、いなくてはならないのだ。

 だから、決して自分からは…
『愛している…』
『大好き…』
  とは、言えないし、言いたくない。

「ゆ、悠里さん、大好きっす…
 た、堪んないっす…
 は、離さないっす…」

 だけど、わたしの代わりに和哉が、そう言ってくれるから…
 これからは素直に頷いていこう。

「大好きっす…」

「あっ、う、う…ん…」
 そしてわたしを抱き締め、キスをしてくる。

「ゆ、悠里さん」
 和哉の手が、胸元に、そして脚を撫でてきた。

「あ、ああっ、も、もう、ちょっとぉ…
 もう今日はシないからぁっ」
 わたしは慌てて和哉から離れる。

「あっ、は、はい」

「も、もぉ、そんなにぃ…」

 シたくはなくは無いのだが、さすがに…

「どこにも行かないからぁ」

 それに腰と、アソコが少し…

 ツンツンと微妙に痛かったのだ…

「それに、もう流石に…あ、あらま…」

 流石にもう勃たないでしょう…
 と、言おうとしたら、和哉のチンポはこんにちわをしていた。

「もぉ、バカ、スケベ、呆れたわ」

「あ、い、いやぁ」

「ホントはただヤりたいだけなんじゃないの?」

 セフレだ、ペットだ、なんて自分で言っていたくせに…
 わたしはそんなイヤミ、いや、自虐ネタを言う。

「あ、いや、ち、違うっす…」
 
 和哉は慌て、そして、わたしは完全に彼に対してマウントを取れた筈だったのだが…
 
「ち、違うっすよぉ…
 あ、そ、それより、悠里さん、今日も試合じゃなかったんすか?」

 突然の、今更の、逆転のカウンターパンチを喰らってしまったのだ…



 
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