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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日
 8

「はぁぁ、ふうぅ…」

「え、どうしたんすか?」

「えぇ、どうしたじゃないでしょうよぉ…
 もぉ…
 ヤり過ぎだからぁ…

 もう、わたし、アソコが少し痛くなっちゃったんですけどぉ…」
 
「あ…
 す、すいません…す…つ、つい…」

「もぉ…なにがついよぉ…」

 そう、朝から、いや、昨夜からいったい何回シたのか、サれたのか?
 ううん、何度イカされたのだろうか?…

 とても数え切れない…
 そして、本当にアソコが、奥が、ウズムズと痛ムズくなっていたのだ。

「それにぃ、全部中出ししてぇ…
 いくらわたしが出来にくいとはいえ、完全な不妊症かどうかは分からないんだからねぇ…」

 そう、わたしは実は、ちゃんとした診断は受けてはいなかったのだ…

「あ…い、いや…」

 だけど和哉は…

「ちゃんと責任取るっす、あ、いや、ゆ、悠里さんと、け、けっ…」

 わたしはその瞬間…
 和哉の口を指先で塞いだ。

「あっ、うぅ…」

「…………」
 そしてジッと彼の目を無言で見つめる。

 その先の言葉は聞きたくはなかったから…

 だって嬉しいけれども…

 あまりにもリアリティが無い、いや、無さ過ぎるから…

 だってわたしは彼より9歳も歳上で…

 他校ではあるが、元高校教師であるから…

 リアリティが、いや、リアルに、現実的に、彼の言う事はあり得ないから…

 いや、仮にそうなったとしても…

 果たしてその先には…

 その先の幸せな風景は…

 見えないから。

 今だけだ…

 いや、今、この関係だから…

 いいや、今、この年齢だから…

 仮にあと5年後…

 わたしは42 歳で、和哉は33歳…
 
 じゃあ10年後は?…

 15年後は?…

 多分、悲劇しか見えないし、思えない…

「あ、で、でも、ぼ、僕は…」

 それでも和哉は…

「ありがとう…
 でもね、気持ちだけで十分よ…
 嬉しい、うん、本当に嬉しいけどさ…
 リアリティが無さ過ぎだし…」

「あ、いや、そ、そんな…」

 本当に彼の、和哉の気持ちは伝わってはきているから嬉しいのだが…



 
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