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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日
 10

「ふうぅ、さっぱりしたわぁ…
 あ、和哉もシャワーしてくれば?」

「はい、じゃぁ入ります…
 あ、そうだ、なんか電話鳴ってたかもっす」

「えっ、そ、そう?」

 わたしは和哉のその言葉にドキっとしてしまう…

 なぜならば、その電話の着信の相手は多分…
 昨夜のオックンである可能性が高いから。

 そして、その電話の着信をわたしに告げてきた和哉の言い方、なんとなくの雰囲気に…
 ほんの少しだけ違和感を゙感じてしまったから。

 やっぱり和哉には…
 わたしのこの心の揺れ、揺らぎが全部見透かされているみたいだ。

 そして、余計に和哉の男としての存在感を感じてしまっていた…

「あっ…」

 やはりスマホをチェックすると、その着信はオックンからであった…
 そして、約3時間位前にはラインも受信していた。

 3時間前…
 それはつまり、和哉に何回目かわからないくらいに抱かれ、愛され、イカされ、絶頂しまくっていた時間帯である。

『昨夜はごめんm(_ _)m
 すっかり仕事の疲れがあって…』
 と、ラインには書かれていた。

 そして着信…

 オックンの、彼の言い分、言い訳、気持ち、思いは十分に分かって、いや、伝わってはいる。

 だけど問題は…
『あっという間に彼が寝落ちしてしまって、それに対してわたしが怒った…』
 等の、そんな単純な問題では無い。

 これはわたしの内面の揺らぎ、不惑、迷い、そして苦悩と過去のトラウマに起因している訳であり…
 また、それを話し、いや、説明等をするつもりも、彼の理解を得るつもりも無かった。

 しかし彼、オックンは決して行きずりの、ワンナイトの相手では無いのだ…
 かけがえのない高校時代の同級生であり、しかも、短期間とはいえ、元カレでもある。

 いくら昨夜の事があったとしても、それで終わりには出来ない、いや、この先の人生の事を考えたならば…
 まだまだ何十年も関係が続く存在といえるのだ。 

 そしてわたしは決して彼、オックンの事は怒ってはいないから…





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