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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日

 12

  やっぱりわたしは和哉に、いいや、既にとうの昔から…
 すっかり見透かされてしまっていたようであるのだ。

 いつからだろうか?…

 ピンポーン…

「あ、ナイスタイミング、出前来たっすよ」
 そう嬉しそうに和哉は玄関へ小走りして行く。

 いつからだろうか?…

 いつからわたしを見透かしてきたのだろうか?…

「さぁ、食べましょうよ」

「う、うん…」
 和哉はテーブルにピザとフライドチキンを広げ…
「あ、そうそう…」
 そう言って冷蔵庫から缶ビールとコーラを持ってきた。

「え?」

「あ、ほら、僕は明日仕事だから、今夜は帰るっすからコーラっす」
 そう言いながら缶ビールを手渡してくる。

「う、うん、そうね、明日は月曜だもんね」
 基本、和哉は泊まらない、いや、メリハリを保つ意味でわたしは滅多な事が無い限りは泊まらせないのだ。

 だから今夜は帰る…
 それは昨日までのわたし達、わたしと和哉の暗黙のルールである。

 だが…

 今夜のわたしは…

 いや、今の心境のわたしは…

 少し残念な、ザワザワとした騒めきの想いが湧いていたのだ。

 え、いつからだろうか?…

 いつからわたしはこうして和哉に見透かされ…

 そしていつの間にか立場が逆転してしまい、いや、逆転してるに気付かなかったのだろうか?…

 いつからか?…

 あ、いや、でも、昨夜のオックンとの逢瀬の前までは…

 わたしは本気で和哉との関係を、セフレとしての関係さえも…

 終わりに、いや、断ち切ろうとしていた筈だ。

 あ…

 そうだ、きっと、あのクリスマスの…
 
 クリスマスの東京遠征に和哉が来てくれた夜からだ…

 わたしと和哉の想いの立ち位置は、あの夜から逆転し、見透かされてしまったのだ。

 だけど…
 わたしの想いは間違い無く、あのお正月の『能登半年地震』がきっかけで変わった筈なんだが…

 本心は、いや、心の奥底の想い、思いは違ったのだろうか?…

 本心は…

 本音は…

 違う、別れたくは無かったのだろうか?…

「あれぇ悠里さん、食べないんすかぁ?
 まだ一枚しか食ってないっすよぉ」

「あ、う、うん…」

「あぁ、ホントは帰って欲しくないんすかぁ?」
 と、満面の笑顔で言ってくる。

「え、あ、ち、違うからっ、バカっ…」





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