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The Bitch (ザ、ビッチ)
第5章 2024年2月24日土曜日…
 7

「ああっん、やん、っくうぅぅ……」

 わたしが先にイク、イってしまう瞬間…

「……………」 

 和哉の目が…
 ううん、決して冷たい目だとか醒めた目だとかではなくて…
 そう、その目はわたしを観察している様なそんな目をして、絶頂感の叫びを上げているわたしを見つめていたのである。

「あぁん、っくうぅぅぅ………………」
 
 わたしは一瞬そう感じたのだが、込み上げてくる激しい子宮を蕩かすような、痺れるような絶頂感の震えに思考は奪われてしまい…

「うぅぅ……」
 背中を仰け反らせながらイってしまう。

「っくうぅぅぅ………ぅぅ………」

 そしてそのまま和哉の手によりゆっくりと仰向けに寝かされ…

「…ぅぅ…は、はぁ、はぁぁ……」
 まるで沼に沈んだように絶頂感の余韻に浸っていく。

 だけどそんな絶頂感に浸っている脳裏には、さっきの和哉のわたしへの…
 まるで観察しているかの様な目が浮かんでくる。

 あぁ、和哉のあの目は…

 そう、ゆっくりと絶頂感の快感の余韻が治まるにつれ、いや、最初からわたしには、あの目の意味が分かって、理解できていた。

 それは、わたしが今夜、敢えて和哉のことを…
『ビッケ』『ビッケ』と連呼していたからだと思う。

 いや、和哉は…
 実は和哉は聡明で敏感で利口な男なのだ。

 だから、そんなワザとわたしが連呼している意味にも気付いているのだと思われる…
 いや、間違いなく気付いている。

 それは多分…

 おそらく始めから…

 そう、わたしが裸で和哉を迎えた時から、既にその真意を読み、考え、悟り、理解をし…
 その上でわたしの好きな様に…
 つまりは、わたし主導でのこの抱擁を、セックスを…

 ううん違う…

 今夜のわたしの裸の出迎えの姿を見た時から、わたしの好きな様に敢えてしてきた、いや、してくれたのだ。

 そしてそれはなぜならば…

 わたしが…

 わたしが…




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